航空自衛隊で使用されている主力戦闘機F-15J
現在その機体後部にあるノズルには、アイリス板と呼ばれる
ノズルを覆うカバーが付いておりません。
つまりノズルを稼動させる為の機構が剥き出しになっておりまして
そこがまたメカメカしくてカッコイイ特徴になっているんですよね。
え?なんでカバーが付いていないかって
ん~~、今回はキット製作記事が主題ですので
そこのところは自分で調べてやってくださいませ(笑)
さてハセガワ製1/72スケールのF-15キットには
新旧2つのキットが存在しておりまして
旧キットは運用初期のアイリスカバー付きタイプのノズルが
新キットには現在使われているカバー無しタイプがそれぞれ再現されています。
今回は初心者には難易度が高いともっぱら噂の
新キット付属のカバー無しタイプのノズルを取り上げ
その組み立て方等を紹介していきたいと思います。
まずはパーツ状態での写真を
どうです?結構バラバラでしょ(笑)
構造的には5つに分割された円筒状のノズルパーツに
15本の細い作動ロッドを接着するという物でして
字で書いている分には楽そうなのですが・・・・・
実際組むとなると、これがまたけっこう面倒だったりするんです
では、まずパーツの切りだしから。
新キットとはいえ発売されてから結構な年月がたっており
金型の劣化からか、パーツに少しバリが発生しちゃっています。
また縁が薄い部分にゲートが来ていたりもしますので
パーツを指でもぎ取るなんてことはぜず(って、今時そんなやつぁ~いないか)
よく切れるニッパーやカッターで丁寧に切りだし
パーツ単体にしてから綺麗にバリを処理してやりましょう。
薄いパーツですので、本体とバリとの境目がチョっと分かりにくい所もありますが
他の部品と見比べて、間違えないようにカットしてやってくださいね
ではノズル内側の塗装に入りましょう。
写真のようにノズルパーツの内側には凝ったモールドが施されています
それを生かした塗装を施すことにより、完成時の精密感はグッと上昇~♪
パーツが分割されているために、それが可能になっているのですが・・・・
その為に組み立ての難易度も一緒に上昇しちゃってるんですよね(苦笑)
さて塗装の手順を説明しますと、まず内側に光沢ホワイトを塗り
次にブラックやグレーでモールドにスミ入れ
最後につや消しクリアーでツヤを落として終了という
ははは、なんの奇抜さも無い普通~の塗装作業なのです(^^ゞ
あとは付着したススの汚れ等を入れていくのですが
今回タミヤから発売されているウェザリングマスターという
ファンデーションタイプの(パステル系塗料・・・・になるのかな?)
ウエザリング専用のマテリアルを使用してやりました。
粉系の塗料って、後で触ると落ちたり移ったりしちゃうことがあるので
オカメはあまり好きじゃ~ないんですけど
ノズルの内側だったら触ることって、まずありませんからね
持ってなければ色鉛筆の黒とか茶の芯をヤスッて粉を作ったりしても良いし
その辺は自分の手持ちの道具や資材で適当にやっちゃってくださいませ
(^ー゚)b ようは雰囲気良く汚せれば何でも良い訳です
で、それを使って写真のような感じに汚してみました。
エンジン側から出口側に流れるように入れてやるのが「キモ」ですね
内側の塗装が出来ましたら組み立てに入りましょう。
さて、組み立て式になっているこのノズル
例えばこれが最近のバンダイやタミヤ製キットならパチッピタッと組むだけで
綺麗が真円になってくれたりするのでしょうけど
このキットのに関しては・・・・そう甘くは無いわけでして(苦笑)
自分で円形に組まなくっちゃ~いけないわけなんですけど
おそらく、ここでトラブルを起される方が多いんじゃないでしょうか?
しかし落ち着いて作業すればそう難しくなかったりしますので
必要以上に恐れる心配もないかと思います
今回はオカメがいつもやっている組み方を紹介しますが
もっと簡単な方法があるのかもしれませんし
あくまで「一例」として見ておいてくださいね。
まず最初は各パーツの接合面の調整を・・・・
といっても大したことではなく、各パーツを合わせて
接合個所に大きい隙間や歪みが発生していないかを調べ
あるならその部分を削ったりして調整してやる作業
いわゆる「すり合わせ」ってやつですね。
少し面倒ですが、次の作業がかなり楽になりますので必ずしておきましょう。
といっても作業の精度的には大体合っていればOKってなもんですから
オカメはバリを取る位の作業で終わっちゃってますけどね (^^ゞ
では接合面が綺麗になったので接着に入りましょう
がっ!そのまま流し込みや瞬着等、硬化の早い接着剤で
一気に組んじゃおうとすると、おそらく綺麗な真円にはならず
いびつな形になってしまう可能性が非っ常~にっ高い!!
え?俺は一発で綺麗に組めるぜって?
はっはっは、まぁ~そういう高いスキルの人もいるとは思うのですが
今回はオカメを含めた一般的なヌルモデラー向けってことで(笑)
まずはトロトロタイプの普通の接着剤を用意します。
これは流し込みタイプに比べて乾燥時間が長い為
硬化するまでの間に位置の調整が効くって~のが利点なわけでして
なわけで最初にこいつを使って仮止めして位置調整
それから本接着という流れで進めていくわけです。
ではパーツの接着面に、ほんの少量
このトロトロタイプの接着剤を「点付け」(これが重要)してやります。
そして次のパーツを仮接着、出来たら次のパーツをまた仮接着
という感じで、写真のように筒状に組みたてていきます。
ここでは真円を出すより、縦方向の高さを揃えることを意識しています。
で、組みあがりましたら写真のように、上から見たときに真円になるよう
バランスを見ながら各パーツを動かして調整していくわけです。
今の段階ではトロトロ系の接着剤で仮止めしているだけで
簡単に形状の調整が効くと思いますから
満足できる形状になるまでジックリと調整してやってくださいね。
といっても、あんまりノンビリやってると固まっちゃいますけど(笑)
あ、右側のノズルに少し隙間が開いてますね
これ位なら、塗装しちゃえば全然目立たなくなりますから
オカメは気にせず、そのまま先の作業に進んじゃいます。
満足出来る形状が出せたら、ガッツリと接着してやりましょう
ノズルを縦に置き、一緒に写っているような流し込みタイプの接着剤を
パーツの合わせ目に流して固めていきます。
一気に流しちゃうと、グニュ~っと変形しちゃうこともありますから
その辺りに気を付けながらチョンチョンと少しずつ流してやりましょうね。
後はしっかりと乾燥させて、ノズル本体の組み立ては終了~♪
いやぁ~・・・・はっはっは (^^ゞ
カンペキと言うには程遠い仕上がりとは思いますが
遠めに見る分には気にならない位上手く仕上がっているでしょ?
本体が組みあがったら次は作動ロッドを取り付けていくのですが
まぁ~このパーツが細くて小さいんですわ
おまけに左右で30個・・・・30個ですよ、奥さん!
このパーツを無くさずに切り出し、更にゲート処理するのが
実はこのノズル制作上一番難しい作業だったりするのかもしれませんね(笑)
切り出しには精度が高くて刃の鋭いタミヤ薄刃ニッパーみたいな工具を使用すると
部品が跳ねて無くすリスクを低減出来るのでお勧めなのですが
んなもん持ってね~よ!って方も多いと思いますので
無くさずに切り出だせる他のやり方を紹介しちゃいます。
写真のように、切り出すときにマスキングテープ等をパーツに貼りつけながら
カッター等(もちろん刃は鋭い物を使用してくださいね)で切り出すんです。
こうするとカットした瞬簡にパーツがブッ飛んでいく確立がかなり低減されますよん。
次にロッドのゲート処理についてですが
細かいパーツ単体で作業を行いますと、無くしたり破損したりといった
トラブルの発生率が、かなり高くなってしまいます
で、どうするかといいますと
ロッドを先にノズル本体にガッチリ接着しちゃうんです。
ちょうどパーツのゲート跡は外側に来るように作られていますから
写真のような状態にしてから処理してやれば、作業楽チン
仕上がり抜群、家内安全、火の用心・・・
ってなに言ってんだ、俺は(笑)
あ~・・・・つまりこのやり方が、オカメ的にお勧めって~ことです
さて、写真は作業が終了した状態なのですが
この状態だと、チョっとロッドがゴツイような気がしますね
模型用の加工素材を手に入れやすい環境の方ならば
最初からエバーグリーン等のプラ材に置き換えておけば
作業は楽だし、見栄えも良くなるしで一挙両得・・・・なのですが
キットオリジナルの部品でも、塗装しちゃえばそう悪くなく仕上がってくれちゃいます
次は外側の塗装に掛かりましょう。
筆でサササッと塗っちゃっても良いのですが
パーツに施されたモールドが少し浅く、厚塗りを避けたいので
エアブラシを使用して塗膜を薄く仕上げてやることにしました。
今回オカメはスーパーファインシルバーに黒を混ぜた色を吹きつけ
後でツヤと色を落とす手順で進めていますが
エアブラシで吹きつければ、指定の28番黒鉄色でも
問題なく良い感じに仕上がってくれますよ~
コストパフォーマンス的にはそちらの方がお勧め出来るかな?
あ、そうそう、吹き付けする時には内側にマスキングテープを
写真のように忘れずに貼っておいてくださいね
後は表面に薄めたエナメルのフラットブラックを塗って
ノズル本体の塗装作業は終了です。
どうです?渋いでしょ~
キットのパーツだけでも、塗装したらこんなにカッコよく仕上がるんですよ
28番黒鉄色で仕上げる場合、ノズルからノズルを少し離して吹きつけると
良い感じでツヤが落ちたメタリック色に仕上がるので
その場合はこの作業は必要ないかな?
オカメはノズル本体はどちらかといえばツヤが無く
機体側無塗装部はギラギラしている方が好みなので
下側のリング(これ何て名前なんでしょうね)はギラギラにしていますが
その辺りは作る方の好みで、お好きなように仕上げてみてくださいね。
ちょっとオマケ
このキットのノズルって中のバーナー部まで再現されているんですよね
しかし一体成形ですから、奥にあるアフターバーナーのリング部が
非っ常~に塗装しにくくなっちゃっているんですよ。
で、今回はそこを雰囲気よく塗装出来ちゃうやり方を大公開しちゃいます!
(ってそんなに大したことじゃありませんけどね(汗))
行う作業ですが、写真を見ていただいたら分かるように
底の部分を切り離し、底にあるモールドの塗装をやり易くしてやると
ようはそれだけのことなんですね。
しかしこのおかげでバーナー内の塗装が容易になり
写真みたいな、内側のスス汚れも入れることが可能になっちゃうんです。
これがけっこう効果的でしてね、ええ
チラリと内側が見えた時なんかにニヤリとしちゃうこと請け合いです(笑)
え?んなとこまで普通の人は見んやろって
ははは・・・いや、まぁ~そうかもしれませんけど
ほら、プラモって結局自己満足の趣味ですからね
さて、長々と解説させていただきましたが
これにて(アイリス板無しタイプ)ノズルの組みたて方の紹介は終了です。
先にも述べましたが、焦らず丁寧な工作を心がけさえすれば
「新版ノズル、恐るるに足りず」と言ってもさしつかえは無いかと (^^ゞ
そら~アイリス等のアフターパーツに比べると落ちますが
これが吊るしと考えますと、必要十分以上に良い出来なんじゃ~ないでしょうか
このメカメカしくて渋いノズル、皆さんもぜひ一度チャレンジしてみてくださいね(●^o^●)