さて今回紹介させてもらうのは、昨年(2013年)末にGSIクレオスより発売された
Mr.カラーラピッドうすめ液〈特大〉です。
右隣に写っているのは同社から発売されている 真・溶媒液
こちらは発売されてからけっこうな日数がたっているのですが
ま、ついでなのでシンナーつながりってことで一緒にやっちゃいます (^^ゞ
さて、このラピッド薄め液ですが、ラベルの商品名下に(速乾性うすめ液)と書いてある通り
標準タイプのMr.カラーうすめ液より早く乾燥するように調整されたシンナーでして
その下の商品説明には、つや消し塗料やメタリック色
瓶入りサーフェーサーに向いていると記述されています。
今回はその辺りを検証・・・・ってほど大した物でもありませんが(笑)
オカメが使って感じたり気づいたりしたことを紹介したいと思います。
では最初にメリック色で使用したときの効果から・・・・
まず結論から言いますと、条件付ではありますが確かに効果はあるように感じました。
しかし手持ちのメタリック系カラーを色々と吹いてみたところ
塗料との「相性」があるようで、どんなメタリックでもOKというわけでは無いようですね。
その辺りも含み、今から普通のうすめ液とは違ったその特性を
実際に使用した写真を使って説明していきたいと思います。
まずこの写真を見てください。
違いをハッキリと出したい為、同社のスーパーメタリックSM04スーパーステンレスを
「同じ条件(道具)」で「薄め液のみを替えて」エアブラシで吹き付けてみました。
左が普通の薄め液、右がラピッドシンナーで薄めて塗装したピースです。
ギラリと輝く金属光沢の違いを出したい為、光を反射させて撮影してみたのですが
う~ん・・・・ちょっと写真では分かりにくいかな?
肉眼では右の方がギラッ!としているんですけどね (^_^;)
もう少し効果を分かりやすく説明するため、今度は違う角度から撮ってみましょう
このように薄いプラ板を使用し、光を透かしてやると違いがハッキリと出てきますね。
左右を比べると、右の方がツブツブ感が少ないと思いません?
まぁ~吹き方によるのかもしれませんが、どうしてこういう違いが出てきたのか
その辺りを説明させてもらいます。
エアブラシで塗装するとき、塗料を薄め液で溶いてやりますよね。
この薄め加減は人により色々個性が出てくるところなのですが
薄ければ薄いほど塗料がキメ細かく飛んでくれるというのは
実際作業を行っている方なら分かっていただけるかと思います。
ただ薄めすぎると吹き付けた塗料の乾燥が追いつかず(遅くなり)
タレや下地(パテや塗料)への溶剤の影響等々、諸問題が発生してしまいます。
普通の塗料より顔料の大きいメタリック色なんかは
下手すると塗面でメタリック粒子が踊ったりしますよね (^_^;)
そこで!この乾燥の速いラピッドシンナーの利点が生きてくるんです。
きめ細かく吹き付けるため普通のシンナーより薄めに溶いても
塗ったしりからドンドン乾いてくれるので、先の問題が発生しにくいというわけ。
普段からエアブラシでプラモに塗装を行っているかたなら
この説明でピンときてくれると思います。
でも、「細けぇ~こた~いいんだよ!結局どう使えばいいんだよ!!」
と言う方のために(笑)具体的な作業方法も紹介しておきますね。
やることは単純明快で
いつもよりかなり薄めに塗料を溶いて、いつもより少し遠くから吹き付ける
つまりフワッとメタリック粒子を塗装面に乗せていく感じですね。
この方法には大きい利点がありまして
それは塗料の粘度がかなり落ちていますので、少し低圧タイプのコンプを使用していても
重い金属粒子のメタリック色を「きめ細かく」吹きつけることが出来るということなんです。
(●^o^●)b つまり、同社のリニアコンプレッサーL5等でもバッチリと言うことですね
オカメはL5リニアコンプレッサーをず~っと前からメインで愛用しているのですが
メタリックと(濃い目の)クリアを吹き付ける時だけには
楽に作業ができる手持ちのL10(L5より高圧)を使用していたんです
でも今回のラピッドシンナーの発売により、L10はクリア吹き専用機とあいなりました(笑)
そうだ!
ついでに、このラピッドうすめ液を使って塗装した作例も載せちゃいますね (^^ゞ
L5のリニアコンプに0.3mmのダブルアクションエアブラシを使用。
梨地のプラモ表面を磨いていませんので、下地は少しざら付いてます(汗)
その上にラピッドシンナーで薄めたSM04スーパーステンレスと
SM03スーパーアイアンの2色を吹き付けてみました。
ちなみに左に写っているのは単三電池の電極なのですが
どうです?本物の金属と見分けが付かないくらいギラッと仕上がってるでしょ
ほんと、あんまり綺麗に輝きすぎるので
スケールモデルに使うには何かしらの調整が必要になってきそうです(笑)
と・・・・あ~そうそう
最初に条件付と書きましたが、その辺りも忘れずに説明しておかないといけませんね
使用方法で、「メタリック粒子をフワリと乗せていく感じで塗装する」とかきましたが
それはつまり「表面に粒子が細かく均一に配置されている」ということなので
たとえば表面をクリアでコートした場合
その並びが壊されて元の輝きが多少落ちてしまうことがあるんです。
下手すると、普通のシンナーでバ~ッと吹いた時と変わらなくなることもありそうですから
どちらかというと、吹きっぱなしで仕上げる場合に向いたシンナーだと言えそうですね。
また、同社のスパーメタリック系でレベリングうすめ液の使用が推奨されている塗料は
(スーパーファインシルバーとかね)バァ~~ッと大雑把に厚く吹き付けても
乾燥と共に勝手に綺麗な金属光沢が出てくれる親切設計(笑)になっているようなので
こういう特性で作られているシンナーとは
オカメ個人の意見としてはあまり相性が良いとは思えませんでした。
使用される方は、まずテスト吹きにより相性を見ておいた方が良いでしょうね
さて、もう一つ商品説明に書かれているサフェーサーでの使用感ですが
オカメ的には・・・・・・
(`・ω・´)b 抜群に使いやすいです!
吹いたしりからドンドン乾いてくれますので
下地のパテが溶剤成分を吸って膨らむトラブルを抑えることが可能。
つまり(サフの)塗膜の厚さ調整が凄くやりやすくなるってことで
特に今みたいに外気温の低い冬場では、この特性が凄く役に立ってくれるでしょう。
実際、オカメはチョッと前にコレを手に入れてから
サフに関してはこのシンナーばかり使う状態になっちゃってます(笑)
でも気温の高い夏になると、逆に使いづらくなる可能性もありますね・・・(^_^;)
では総評を
同社から発売されているレベリングうすめ液とは逆方向に振ったこの製品により
塗料の乾燥時間を、使用するシンナーで多段階に調整することが可能になりました。
ある程度スキルのある方には塗装面や作業性での調整幅が広がる
とても良いアイテムだと思います。
ただどんな物事にも言える事ですが、本質を理解して使ってやらないと
その製品の特性を生かすことは出来ませんよね。
プラモデルの塗装に関しても、塗装環境、条件、その人のクセや経験等々
状況がバラバラですから「絶対」と言える正解も無いわけで・・・・・
オカメは使用してみて「これは使える!」と感じたので紹介させていただきましたが
それを同じように感じるかどうかは結局使う人しだいですので
今回の記事を参考に、購入してみようと思った方は
色々試して自分に合った正解(やり方)を見つけてくださいね (^^ゞ では
●あ、真・溶媒液のレビューが残ってましたね(汗)
さてこの「真・溶媒液」、ようは粘度が上がったMrカラー(アクリルラッカー)を
溶かして元に戻してやる時に使う再生専用シンナーなのですが
オカメが使ってみた感想は・・・・・
(`・ω・´)b これも良い物だぜっ!
この一言が全てですね(笑)
細かい説明やレビューなんかは結構~色々な方が書いてますので
今回は実演レポートを省いちゃいますが(オイオイ)
塗料の溶け具合に関しては、さすが専用と銘打つだけあって凄く良い感じ♪
普通のうすめ液に比べると、その差は歴然でした
溶かすだけではなく、何か他の成分・・・というか利点もあるとのことですが
(その辺りはパッと目に見えて分かるような内容ではないので)
とりあえずメーカーが専用品として出しているものですから
Mrカラーをメインに揃えている方は一本持っておいても損は無いと思いますよ。
そういえば、オカメがプラモ趣味に出戻った時
カチカチになった塗料の再生にえらく手間が掛かっちゃったんだよなぁ
ああ・・・あの時、この製品があったら楽勝だったのにね (^_^;)